「横浜トリエンナーレ2008」に行きましたvol.3

GEISAI #11

2008.12.04 Thu 04:00

日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)

11/30

14:00

BankART入場

関東圏での重要アートスポットの1つですが、恥ずかしながら、初めて来ました…。
さすがに良いスペースだなと、妙に感心してしまいました。
こちらは、不勉強な自分でも知っているような、世界のアートスターが集まっていて、「あぁ、フェスっぽい」って感慨に
浸れます。
この会場も、全作家の感想を書くのは辛いので、vol.1と同じように、個人的に気になった展示、面白かった展示のみ
感想を書きます。

※勅使川原三郎さんとマシュー・バーニーの展示は観ていないので選考外です。


5位: ジミー・ロベール「フィギュール・ド・スティル(スタイルの綾)」

映像で観ただけですが、隣に展示されていた、説明無用の超名作(世間的に)オノ・ヨーコ「カット・ピース」に本気で
ケンカを売っていた姿勢に感動しました。
卵が先か、鶏が先か。
(何となく)オノ・ヨーコが協力するとは思えないので、オノ・ヨーコの展示が判明してからのアイディアだと思います
けど…。
キャプションでは、(この作家は外国人なので、おそらく)原題が「Untitled」なので、上記の邦題は誰が付けたのか
気になりました。


4位: 小杉武久「レゾナンス」

電気信号を変換する手法(だと思う)はカールステン・ニコライなどもやっているし、それほど目新しいモノではないですけど、空間としての見せ方が巧いと思います。
展示は、音声信号でLED照明を光らせる感じ(だと思う)で、その信号の差異から生じるノイズを、音響として空間に
レイヤーを重ねている雰囲気でしょうか?
自分は、最新テクノロジーやガジェットや情報などに疎い年配の方に、不信を感じます。
何故なら、それらは、この世代が大好きな"努力"で自らのモノにする事が出来るからです。
こういう人達には絶対、「頑張れ」とは言われたくありません。
小杉さんは70歳でありながら、一線級のメディア・アーティストと感覚が同じなのです。
自分も将来、背中を丸めながら無数のエフェクターを弄る電脳おじいさんになれる事を願います。


3位: ダン・フォー「無題」

ふざけてるなぁ…と思いつつも、気になった展示です。
その空間には、何も飾っていない白い壁に間接照明が当てられ、左隅に馬の鞍が置いてあるだけです。
しかし、その鞍の近くの壁に、この鞍に関する賃借契約書らしきモノが掲示してあります。
人生で一度も海外旅行に行った事が無い英語力で解読する限り、この鞍は何処かの主教が使用していた鞍で、
展示の為に貸し出すみたいな事が書いてあるみたいです(違っていても謝りません)。
で、ていう。
美術品が展示をする為に存在する物なら、展示をする為に借りた物は全て美術品となる。
って事ではないでしょうけど…。
無視出来ない"何か"が存在したのは、事実です。


2位: ロドニー・グラハム

やっぱり自分はシミュレーションが大好物でした。
キャプションのタイトルにわざわざ西暦を入れて、この2006年に制作された作品群を、60年代の作品として観るように
ルールを与えられます。
このルールによって、この作品群は非常に趣深いモノになります。
1962年に中途半端な抽象画を描いていた作家が、1966年には作風が研ぎ澄まされ、1968~1969年にはポテトを使った一連の前衛(笑)作品群へと変換していきます。
この作家にとって、ポテトはヨーゼフ・ボイスのコヨーテであるかのようです。
感心するのは、写真にしろ映像にしろ、ホントに当時、制作されたような空気感が出ているのです。
ポテトで作ったウォッカに至っては、「フェルト・スーツ」のような面白さを感じます。
この作家の個展が観たいです。
個人的には、中途半端な抽象画「静止(1962)」が最も好きです。


1位: クロード・ワンプラー「無題の彫刻(大きくしなやかでセクシーな自分を喰らう裸のヴァンパイア)」

一番、長時間、留まらされたので、悔しいけど1位です。
自分は以前、電波彫刻「視る事は信じる事」という、これと同じテイストの展示をした事がありますが、説得力が段違いです。
この展示のキャプションにだけ、素材(鉄、繊維ガラス、エナメル塗料、蝋、合成毛、ゴム、木、綿織物)が書いてあって、変だな?と思ったのですが、展示を観て納得。
そこには彫刻の台座とその彫刻のドローイング、そして彫刻をスケッチする人、しかし、当然、存在するはずの彫刻は
影しか無く、鑑賞者は何も乗っていない台座を鑑賞します。
まぁ、単純に言えば、可視の不可視化です。
もし、自分に子供(吉田里琴に激似希望)がいたら、「何も無いよ!!」と叫ばしたい。
この展示が、まるで"現代美術なんて元々、存在しない"って言っているようで、少し寂しい気持ちになりました。
とにかく、この展示の素晴らしい点は、丁寧な事だと思います。
キャプションで説得し、台座で説得し、影で説得し、ドローイングで説得し、スケッチをする人で説得して、不可視化を
試みます。
影はおそらく壁に描いただけだと思います(違っていても謝りません)。
でも、そんな事は全くどーでも良い事です。
大事なのは、本来、眼球が読み取る画像は脳が存在すると信じているだけのデータであり、暴力的な言い方を
すれば、脳が信じたならば、その彫刻は存在するのです。
視る事は信じる事です。
普段、美術館で画像として読み取っているだけの、触ってもいない彫刻は本当に存在しているのですか?


vol.3の全体的感想

率直に言って「なめられてるなぁ」って思いました。
展示のほとんどが「横トリ」用に制作された品では無く、"アリモノで済ましたれ"っていう空気が強いです。
今回、「横トリ」に参加した大半の作家は売れっ子ですから、もう、とっくに「横トリ」に参加している事さえ忘れている
でしょう。
皆、次の大事なレースに向けての準備がありますから。
今回、参加された作家の中で、本気で美術を創りに来た人は、果たして何人いたのでしょう?
3Fの最後のフロアのネームバリューは凄まじいですが、もう日本に来なくて結構です。

※マシュー・バーニーの展示は残念ながら、込んでいて観られませんでしたが、最終日の日曜日に行く時点で、
そういう事態は覚悟していましたので、何の文句もありません。
自分は昔、渋谷で行われた「クレマスター」全シリーズをオールナイト上映するというイベントで、何度も居眠りを
してしまった不届者ですので、今回はその時の罰だと思います。

「横トリ」の為に、真剣に制作してくれる作家だけ呼ぼうよ。

現代美術は振り込め詐欺に似ている気がする。
「オレだよ。オレ。美しくて面白いオレだよ。高尚で崇高で難解で奥深いから金くんない?」って言われている気がする。
騙されているのは分かっているけど、騙されている時間は辛い現実よりは幸福だ。
そういう意味では、寧ろ、結婚詐欺に近い。
いや、自分はその詐欺にシンパシーを感じ、その罪を犯そうとしている側なんだから、もしくは、ストックホルム症候群か?
まぁ、13年くらい人質にあっているので仕方がない。

もし、自分に子供(吉田里琴に激似希望※大事な事なので2回、言いました)がいたら、「現代美術は裸だ!!」と
叫ばしたい。

やはり、最終日の日曜日だけあって、中々の盛り上がりです。
込んでいると女の子にばかり目が行く自分は、絶対、空いている日にしか展覧会に行っては駄目だと再認識しました。
しかし、現代美術を観に来る女の子は、可愛い子が多いのは真実。
寧ろ、現代美術を観ている女の子だけを観ていたい。
「ビジョコンテンポラリー」みたいな「ビジョメガネ」のノリで、現代美術と美少女みたいな写真集、無いかな?


~ここから下は、完全に妄想の脳内世界です。~



「エキシビジョ」
(最低のタイトルセンス過ぎて採用)

ルール

※モデルの衣装は私服(秋冬物)


藤井美菜×ドナルド・ジャッド

吉瀬美智子×ダミアン・ハースト「In and Out of Love」

大本彩乃×カールステン・ニコライ「syn chron」

戸田恵梨香×ロン・ミュエク

長谷部瞳×アンドレアス・グルスキー

吉田里琴×ジェフ・クーンズ

川島海荷×アニッシュ・カプーア

成海璃子×ゲルハルト・リヒター

黒木メイサ×ジェイク&ディノス・チャップマン

岡本玲×マルセル・デュシャン「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(東京ヴァージョン)」

吹石一恵×イヴ・クライン

仲里依紗×オラファー・エリアソン

北川景子×マウリツィオ・カテラン


改善点

※今クールのドラマの影響を受け過ぎ
※「ビジョメガネ」とキャストが被り過ぎ
※作家の選定が偏り過ぎ
※気持ち悪過ぎ

2000円くらいなら、買います。


えっと、「横トリ」でしたっけ?

…。

ま、頑張って。

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COMMENTS

春草さん、初めまして。 こちらこそ、よく拝見させて頂いています。 すみません。 何度かコメントを残そうかと思ったのですが、ウチらのような気持ち悪い人間が人様のブログにコメントを残すなんて大それた事は出来ませんので、自重しました。 メールも同じ理由です。 ところで、絵画の売買成立、おめでとうございます。 病院に飾られるそうで、「おぉ、合いそう♪」なんて、勝手に思ったりしていました。 春草さんの繊細で詩的な絵画は、きっと病院内で快く迎え入れられると思います。 何か、生意気な言い方になっていたら、すみません。 画像の件ですが、昔はアップロードしていたのですが、「GEISAI BLOG」のシステム的に劣化して表示されるみたいで、それが気になるので、サークルのWebサイトにアップロードしてからタグで貼り付けています。 その方が画像にリンクも貼れるし、フキダシも編集出来るので個人的に良いなと思っています。 ただ、「GEISAI BLOG」のポータルにはサムネイル表示されないので、気持ち悪い文章を見たくない人が当サークルのブログを回避出来ないのは申し訳なく感じています。 Perfumeの事については色々、語れますが、語れば語るほど気持ち悪くなってしまうので、一言だけ言います。 「彼女たちは本当に良い子たちなので(お前が何を知っているんだ?)、末永く見守ってあげて下さい」 「GEISAI#12」については、一応、出展する気ではいるのですが、お金の工面次第です。 ウチらの気持ち悪い長文ブログは、適当に流して見て頂けると幸いです。 あ、でも、コメント、凄く嬉しかったです。 ありがとうございました。 では、これからも春草さんのブログ、楽しみにしています。 お体に気を付けて。 お友達のハルエミさんにも宜しくお伝え下さい。 出来るだけ気持ち悪いコメントにならないように気を付けたつもりなのですが、結果、気持ち悪くなる文才に驚きを隠せません。

はじめまして。EXCALIBURさんのブログ、楽しく読んでいます。横トリは諸事情で行けなかったので、レポートとても面白かったです。画像は、GEISAI BLOGの一覧に出ないようになっているんですか?不思議でした。最近わたしパフュームファンデビューしてしまいまして、、EXCALIBURさん(複数?のどなたか?)と共通を感じたりしています。EXCALIBURさんのブログは読み応えありますね!私は毎日でうすいかもと思いちょっと反省中です。#12は出展されますか?色々コメント失礼しました〜では☆

  • 2008.12.04 Thu 22:37
  • Posted by 春草

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PROFILE プロフィール

EXCALIBUR
東京を拠点に活動する、現代美術制作販売サークル http://www.entaku.net/
GEISAI出展歴
  • GEISAI #12
    ブースNO:F-083
  • GEISAI #11
    ブースNO:B-036
  • GEISAIミュージアム #2
    ブースNO:A-053
  • GEISAI #10
    ブースNO:F-066
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